私にとって、不満がたくさんあったイギリスの留学生活。正直に言えば、「イギリスが嫌い」と思う時期もありました。日常生活から感じる度重なる不満。でもそれは 、私自身をいろんな場所へ向かわせる原動力にもなっていました。
色んな場所へ行きたいという想い。そして、海外の宗教を実際この目で見たいという想い。この二つが合わさり、結果バックパッカーという発想が生まれました。
そう考えると、私がバックパッカーをする決意を固められたも、イギリスの留学生活なしにはできなかったのかもしれません。またこの旅は、私のイギリスに対する考えを変える一つの要因ともなりました。
とはいっても、頭で整理できるようになったのは、当分後の事。でもこの旅の経験は、知らず知らずのうちに、私の糧となってました。
ヨーロッパ鉄道周遊の旅① フランス編パリ
ということで、私のヨーロッパ周遊の旅の始まり。イギリスからユーロスターに乗って、最初に目指すはフランス・パリです。
ユーロスター
英仏を結ぶドーバー海峡に海底トンネルを走るユーロスター。青森~函館を結ぶ青函トンネルも凄いですが、ユーロスターは国を跨ぎます。
人生初の電車での国境越え!
テンションがあがりました。まぁでも、トンネルなので国境越えの景色は真っ暗。何処で国境を越えたのか、わかりません(笑)
日本からイギリスに入った時は、入国審査やら、何やらで緊張しました。が、ヨーロッパは気軽に移動ができ、英仏間も意外と近くに感じられました。ロンドン市内から約2時間ちょっと。パリに到着です。
パリ散策
数日間の滞在の内にいろんな場所へ行きました。本当に色んな場所を歩きました。もちろん地下鉄も使いましたが、歩くのもいろんな風景が見えて楽しいです。あ、ロンドンの地下鉄と比べると、フランスの地下鉄(メトロ)は安いです。切符を買うのも簡単だし、使いやすい地下鉄で、気軽に使えますよ。
シャンゼリゼ通り
奥には凱旋門が見えます。
歩いてたらオープンテラスのカフェや、ルイヴィトンのお店もありました。
実はコンコルド広場から歩いてきたんですがね……。コンコルド広場の写真撮り忘れちゃいました。コンコルド広場は、エジプトのルクソール神殿から運んだオベリスクがある所。今思えば本当に撮っとけば良かったのにと……。
凱旋門
凱旋門の下から見るとこんな感じです。
上にも登ることができますが、この時は行ってません。観光客もたくさんいましたから。
エッフェル塔
エッフェル塔の真下。
綺麗にライトアップされたエッフェル塔。
凱旋門は登りませんでしたが、エッフェル塔は登りました。斜めのエレベーター途中まで登っていきます。結構並びました。でもそのおかげで……
パリの夜景を眺めることができました。
そしてエッフェル塔と言えば、エッフェル父さん!
四足歩行型エッフェル父さんは少し高い……。でも気に入ったので、二足歩行型マグネット式エッフェル父さんを買いました。
ヴェルサイユ宮殿
豪勢な天井。
豪勢なベッド。周りにあるも豪勢豪勢の贅沢三昧。
豪勢な回廊。
最初のうちは物珍しく見ていた私。でもさすがにどこ見ても全部豪勢なだけで疲れてしまいました。ここに住めって言われたら私は全力で拒否するだろうな……。まぁ住めなんて言われることないでしょうが(笑)
セーヌ川、ノートルダム大聖堂
ノートルダム寺院から歩いてしばらく。ルーブル美術館にも足を運びました。
ルーブル美術館
ここは、かなり広い。いっぱいありすぎて、私は途中で飽きてしまいました。モナリザなど、有名な作品も多数ありますよ。
パリ街散策
パリの街並み、素敵でした。
こういうお店の雰囲気もいいですよね。チーズのお店です。
川の橋の上に鉄道橋。
これ、地下鉄(メトロ)の線路です。ここを通るメトロ線も乗りました。地下鉄が外に出て、建物を縫うように走る所があります。車窓から眺めもなかなかでした。
フランスの食事
食事もイギリスと比べておいしかったですね。値段もイギリスと比べると手が届きやすい!
とはいっても当時1ユーロ=約170円。だから昼ご飯はほとんど食べませんでした。安いお菓子で代用したり、パンを食べたり。その分、夜に回しておいしいそうなのを食べました。
フランス料理は高級なイメージがありますが、素朴な食事もおいしかったです。
例えば、フランスパン。私はフランスパンを食べた時の衝撃が忘れられません。私の中で、固いイメージしかなかったフランスパン。本場のフランスパンを食べたら、そのイメージは間違いであることに気づきました。本当においしい。
イギリスとフランスってこんなに違うんだと実感しました。
食文化も街の雰囲気もフランスとイギリスでは、まるで違います。
当たり前といえば、当たり前なんですが……。でも私達日本人って、ヨーロッパをわりと一括りに見ていることがあると思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
一括りに見てしまう癖
ヨーロッパだけに限らず、国なら国で一括り。イギリス人ならイギリス人で一括りしてしまう。実際には国民の一人一人に個性があって、違う考え方を持っているにも関わらず。
私自身はフランスに来て初めて、イギリスとフランスが全然違うんだってことを実感しました。
一括りに見る。それは、物事を理解する上では便利な「ものの見方」です。イギリスという国は、こんな国。イギリス人という国民は、だいたいこんな国民性。そう言われると、何となくイギリスを理解した気になってしまいます。
しかしそれは、個人と向き合う時に、素直にその人が見えなくなる一つの要因になってしまうことがあります。
私は、カンタベリーにいた時に、酔っぱらった人に絡まれたことがありました。その時、ちょっと人種差別的な発言をされました。でも、あちらは、中国人なのか、日本人なのか、韓国人なのか、台湾人なのか。その違いもわかっていない様子でした。
アジア人として一括りに見ている。黄色人種なのかな。まぁ、いずれにしろ、それで絡んできて、馬鹿にされたわけです。しかし、私もその時「イギリス人め!」と、心のどこかで思っていました。しかし、それは同じ一括りにしているという点ではやっていることは同じです。
同じ一括りにして、会ったこともないのに、その人を在り方を決めつけている。
イギリスが嫌い。イギリス人が嫌い。私はそうやってイギリスを一括りにしている。思い込むことで、イギリスの見方が一方的になっている私がいました。
こうして考えられるようになったのも、この旅のおかげかもしれません。イギリスだけに留まらず、一度、外に出ることで、落ち着いて考える。そんな時間をこの旅の中でもらっていたのだと思います。
もちろん、旅をしてすぐに気づいたことではありません。そこに至るまでに結構時間は掛かりました。しかし、同じヨーロッパでも、イギリスとフランスではこんなに違うんだ。それを肌身で感じられたことは、そのことに気づく、一つのヒントとなりました。
つづく……